2014年2月 2日 (日)

作法

Img_0996器をつくるときに・・・まだカタチが無い段階で、僕は椅子に座り、その器で自分が料理を食べているシーンを想像します。たとえば、自分がその料理屋さんのお客さんだったり、子供が生まれたばかりの家族だったり、新居を建てたばかりの家庭だったり、野菜嫌いの子供に何とか野菜を食べさせたい家庭だったり・・・・・いろんな事をイメージします。

飲食店の器でも、それぞれの家庭の器でも、自分自身の器でも・・・「美味しい!」という笑顔のために存在するんだと…。
Hosoda

この春に、長い間、地元に愛されてきた、山梨の割烹料理「ほそだ」さんが一部リニューアル。ご縁で、器をつくらせていただいています。己流庵のご近所のすし懐石「和み やま田」さんも、器をつくらせていただいています。共通するのは、長い年月、地元に愛されているということ。そして、僕は、客席に座った角度をイメージして器をつくります。

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2013年12月 9日 (月)

師走

Img_0840本日、工房定休日。

クラフトギャラリー傑山でのグループ展、終了いたしました。早いもので、今年も残すところ20日あまり。2013年の展示会も、すべて終了いたしました。ほんとうに多くの方々に器をお使いいただき、深く御礼申し上げます。年末のご挨拶のようになってしまいましたが…。

年内、陶芸教室、オーダーの器の制作、年明けの準備・・・と、工房に腰を据えたいと思います。工房の展示スペースも、焼き上がるたびに、器がてんこ盛り状態ですが…是非、工房にもお立ち寄りください。体験教室なども大歓迎です。そういうわけで、年内は、29日(日)あたりまで、工房をあけている予定です。

今後の展示会は、年明け早々(1月9日~)の東急百貨店たまプラーザ店、3月の末、桜の国立大学通り、4月の新緑の日本橋と続きます。


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2013年10月24日 (木)

一汁三菜

Img_0638今月は二か所の会場での個展。三日の「土鍋ごはんのランチ会」。炊飯器を持たない我が家のごはんの炊き方ではありましたが…各日とも、ほんとうに多くの方々にお運びいただき、心より御礼申し上げます。

期を同じくして「一汁三菜」…日本の和食文化が世界文化遺産へ登録される見込みとなりました。喜ばしい反面、「一汁三菜」の食卓…

そうか・・遺産になるほどの時代になったImg_0639んだ…とも思ったり。不思議な感覚にもなりました。

「一汁三菜」…30年位前だったら、「え~っ、また今日もこの御飯~」と言っては母上に、どつかれていたことを思い出します。おそらく、日々あたりまえのように、そういう食卓で育っていたから、大人になって、その意味、大切さが解ってきたようにも思います。30年位前と言えば…そう、世はバブル真っ只中。次々と新しいものに飛びつき、乱舞していた時代。学生の僕は、大手広告代理店OBの教授達と、「これからのメディアは?」「成熟化社会のコミュニケーション戦略とは…」などと嘯いていたころでもありました。もちろんインターネットも登場していない頃だったので、これからのメディアは、テレビか、新聞か、雑誌か、ラジオか?等で口論していたころでもありました。商売人の家系に育った僕は、自然とスペース(空間)=メディアという選択をしたように記憶しています。

バブルが終わり、世はローコストの時代へと移り、早20年以上…。手間は不要。効率重視。手間は第三国へ。効率=エコ。言葉ですらも一言二言で済まそうとする空気。僕は、時代の風潮や、思想は、一方向に進みすぎれば、自然に振り子のように振り戻されると思っています。それはたぶん、その時代を生きている人たちは、同世代だけではないから…。美味しい和食の料理屋さんは、野菜の炊き合わせをつくるときに、それぞれの野菜をそれぞれの出汁で別々に炊きます。でもそれは、うちの婆ちゃんはあたりまえのようにやっていたことでもありました。ひとつひとつの素材にそれぞれに付き合う…おそらく日本の和食文化というものは、手間の文化でもあるように思います。

日本でいう「店」という単語は、「見せる」を語源としているようです。アメリカなどからウインドディスプレイ等が入る前の時代、日本の○○屋さんはすべてつくっている場所が、表から見えるようになっていたのです。商品を店頭に並べ、つくっている場所は隠す。今の時代の店舗とは真逆。手間をかけている場面を、あたりまえのように見せる。つくる側は手は抜けない、偽装も出来ない。見る人は、それに納得した対価を支払っていたのかもしれません。僕よりも先輩の日本人は、そういう店を記憶しています。僕らもかろうじて伝えられてきました。その手間暇の良さを知っている世代が、もう20年以上知らない世代と共存している…。世界文化遺産に登録されることは喜ばしいことです。でも、忘れてはならないのは、世界に発信するだけでなく、まず今、日本で共存している知らない世代に伝えていくことが大切なんだと思います。ふと、そんなことを米を炊きながら想う、今日この頃。

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2013年10月13日 (日)

Autumn

Img_0571秋は不思議な季節。ふと立ち止まって後ろを振り返ってみたくなったり。空や月の美しさを感じたり、何かを深く考えてみたくなったり…。前向きだとか、後ろ向きだとか…一言で言い表せない感情。

僕が会社勤めを辞め、この道でやってみようと決心したのも秋・・・。今日のことしか考えられず、一日一日と過ごしていたら、いつの間にか13年。思えばその前の会社勤め12年を超えてしまいました。特に専門的な技術を学んだわけでも無かったので、ベタだけど掲げた「己流庵」の看板。「手にした人の創造力を膨らませるような程よい遊び心。空間や人や自然を結びつける見立ての心」。そんなことを大切に思い、器をつくっていこう。本来は飽きっぽい性格の僕も、そんな思いだけは13年変わらず持ち続けてきたように思います。

Img_0573Img_0516花は実に変わり、蝉の声は、鳥や虫の声に変わり、風は冷め、月は澄む。ふと日本人で良かったぁ~と思う今日この頃。

只今、2か所で個展開催中でありますが、明日14日(月)はクラフトギャラリー傑山での個展最終日。終日在廊しております。

国立のギャラリーカフェPupuでの個展は29日(火)まで、先日、女優の石井めぐみさんにご自身のブログで素敵な写真を添えてギャラリーカフェPupuでの個展の様子を紹介していただきました。石井めぐみさん、ありがとうございます!今のところ今週は15日(火)午後、19日(土)は在廊予定です。

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2013年8月26日 (月)

My favorite things

Img_0220Img_0219_2毎朝、工房の掃除の後…ほとんど欠かさないのが、一杯のコーヒー。

珈琲って、こんなに美味しいものなんだ!と思ったのは、吉祥寺の「モカ」の珈琲を知ってから・・・.。

本当は、豆にも、道具にもこだわりたい。でも、こだわりだしたらきりが無く、今では、だいぶ手を抜いて・・・それでもなんとか、ドリップだけはするようにしています。ほんとうは、自分の好きな豆を好みの粗さに挽いて、ネルドリップで淹れる珈琲が好きなんだけど・・・。

今日は、朝から「パトアシュ」藤田ようこさん、ご来庵。今年10周年の雑貨のセレクトショップのオーナーさん。秋の企画のための、コーヒーポットの制作依頼。久しぶりにいろいろと雑談も。

そうだ!ふと、僕のお気に入りの「がまぐちの小銭入れ」の事を思い出した。祖父から父へ受け継がれた、小さなワニ皮の「がまぐち」・・・ずっと使い続けて、いよいよもうだめか・・と思っていた時に、藤田さんの店で見つけた「がまぐち」・・・それが10年近く前の事。まだ取り扱ってるのかどうか・・お尋ねしたら、僕にとっての3代目の「がまぐち」を持ってきて頂きました。

小さな出来事だったり、ものだったり…一つ二つでも変わらないものがある。そういうのもいいもんだなぁ~と思う。

今日はお休みの日だけど、制作~打ち合わせ~制作・・午後は国立へ個展の打ち合わせ~制作と続きます。

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2013年8月14日 (水)

夏と秋のあいだ

Img_0180一年を通して、冬と春のあいだ、夏と秋のあいだ・・この辺りが、一番器を制作している時期かもしれません。オーダーの器、春と秋の展示会用の器・・・やるべきことがはっきりとしている。そして、これまで、僕の器を手にしてくれた人の事を思ったり、使っていただいているときの様子を知らせていただいたり・・・いろんなことを考える時期でもあるのです。

早いもので八月も半ば・・・。今年も秋から展示会が始まります。懐かしい出会い、新しい出会い・・・いろんな出会いを楽しみに作陶に励みます。ちょうど今夜くらいの月も半分に。日没くらいの白い月・・・きれいだったなぁ。

9月末から国立市~東大和市~国立市。新年早々、たまプラーザ東急。しばらく続きます。

作家、立原正秋の昔のエッセイにこんなのがありました。「夏と秋のあいだ」より引用:

「日常の出来事はひとつひとつはっきりしているのに、やはりこの季節は分明でない。時間と空間がさだかではないのが夏と秋のあいだかもしれない。そこには集約されたものがない。秋が訪れてくるまでは、すべてが拡散している。」

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最近のオーダーの器・・・いろいろ。

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2013年6月25日 (火)

明と暗

130612_192041移り気、高慢・・・そんな花言葉の紫陽花。自己顕示欲が強く、短気、せっかち・・・自分の本質も、そんなもんなんだろうと思う。それでも、時を重ね、仕事の視点を変え、手に触れる感覚が増えていくにつれ、時がつくるもの、見る角度で変わるもの、触感で記憶するものが、少しずつだけど、解ってくるような気がする。

日課の夕暮れの散歩。ありきたりの紫陽花も、暗がりでみると、時に変わった表情をする。「自己本位」と「則天去私」・・・相反する考えや思想。これが両立するということを理解していたであろう夏目漱石。

時間をかけてつくるもの・・・せっかちな反面、試みようとする。今は新鮮な鰹が入るので、自家製シーチキンなど作ってみる。ずいぶん気長な性格になったものだと思う。・・・今日この頃。Photo

 

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2013年6月10日 (月)

夏の器

130609_173530「夏は夜。月の比はさら也、やみも猶ほたるの多く飛びちがひたる。又、ただ一つ二つなどほのかにうちひかりて行くもをかし」。枕草子(清少納言)

今年も蛍が飛ぶ。工房を出てすぐ、金比羅橋から玉川上水の蛍のひかりを眺める。多くはないけれど、一つ二つのひかり・・・いと、をかし。

幼少期…高度成長期時代。次々と里山が壊されていた頃の僕の記憶には…蛍のひかりの思い出がない。今は、玄関を出るとすぐに観賞できる…不思議な感覚。

工房の姫シャラの花も咲いた。蚊遣りの準備。風鈴の用意…。

夏の器も続々と焼き上がり。土日も多くのご来庵、ありがとうございました。「ソーメン食べたいなぁ…蕎麦もいいなぁ…天ぷらも…」。そんなことを思いながら、器をつくっています。自分では、器と食をイメージしながらも…時に、「ヨーグルトを入れてもいいね。これは、サラダにいいね」。とか、逆に、お客様に使うイメージを伝えてもらったり・・・そんな会話の時間が何より楽しいのです。
しばらく、オーダーの器を含め、夏の器をつくっています。

130608_095001陶工房 己流庵の展示スペースにて、展示・販売中です。

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2013年6月 1日 (土)

日常(水無月)

Photo早々と、梅雨入りしたものの、まだ、雨らしい雨は降らず・・。
子供の頃から、あまり好きではなかった6月(祝日が無かったから?)。歳を重ねるごとにその感覚は変わってきた。

今日は朝から陶芸教室。にぎやかな時間。午後は予定が空いたので、森と化しはじめた工房の緑の剪定。

僕の日々の生活の中で、料理とか、草花をいじったりする時間は欠かせない。専門的な知識はないけれど・・・好きなことには間違いないが、すべては器に通じているから。時々、料理人の方と話したり、陶芸教室の生徒さんをはじめ、主婦の達人の方々と話したり・・・、日常の会話の中に学ぶべきものがたくさんあり、いろんな事を教えてもらっています。

午後、剪定作業をしていたら、教室の生徒さんでもある、チエマルさんご来庵。長年、スタイリストとして活躍しながら、恐るべき食通!アリタの桃カステラをいただきました^^。ありがとうございました!チエマルさんのブログ→ぶたぶた食堂日記

子供の頃から、ずっと身近だった紫陽花。この花を見るたびに…ふと、田舎を思い出す。おまけに今日は桃カステラ!工房で咲いた山紫陽花を水に浮かべて。

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2013年5月22日 (水)

えんはいなもの、あじなもの

139今日は、蕎麦懐石「土屋」の店主からの電話・・・器の依頼。今や予約が取れない名店になってきたお店。店主とは、開店前からの付き合い。 だから、電話だけで求めている器の雰囲気は、すぐに伝わるのです。

「土家」だけでなく、僕の器を使ってもらっている料理店。そこから繋げてもらっているご縁。本当にありがたく、それが、器づくりのモチベーションになっていることは言うまでもありません。

公募展に出展することだけを目指して、大物だけを制作することからはじめた陶芸・・・。だけど、普遍的な飲食というテーマの中にある無限の創造性・・・。少しずつ、少しずつ、その面白さがわかってきているような・・・気がしてます。

写真は、梅の花 立川店で僕の器を使用する個室「立の河」。そこで食事をし、器に出会っていただき、ご縁が繋がった方から送っていただきました。

縁は異なもの味なもの・・・。いや、縁は胃なもの味なもの・・・かも、しれない。

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